『アントン、猫、クリ』

駒場アゴラ劇場で篠田演出の公演『アントン、猫、クリ』を観た。
東北沢の自宅から自転車で5分。近い。
舞台は最初から最後まで映像編集的なカット割りやスクラッチのような分裂的な身体の動きに満ちていた。一度別のメディアで編集された(置き換えられた)身体から演出の着想を得ているというか、、、着想を得るどころか無理矢理それを現実に再現しようとする、何だか過剰な身体イメージが印象的だった。もちろんそのようなメディア化された身体を舞台で本当に再現しようとしているのであればそれは「身体表現の限界」を超える、甚だ無謀な試みなんだけども。ともあれ、リピートされたり、バラバラに編集された個々のシーンを、生身の身体がつなぐときに必ず一瞬現れる「空白」がとても印象的だった。(例えば一人二役で役割変更する時に発生するどうしようもない時間)